レーザー脱毛で失明

必要以上に心配する必要はないけれど、エステもクリニックもリスクがないわけではない

レーザー脱毛による失明のリスクを懸念する声が、しばしばインターネット上では聞かれます。以前、レーザーポインターの光が目に入って視力障害を負うという事故が多発したことがあるため、レーザー脱毛にも不安を感じる方が多いのかもしれません。

 

確かに、医療レーザーの場合も、光が誤って目に入れば重篤な健康被害があります。でも、クリニックも安全対策をしていないわけではありません。リスクと対策について確認しましょう。

 

両目を見開く女性

 

レーザーが目に入った場合、もっとも深刻なのは網膜の火傷です。目の水晶体を通った光は眼球内壁の網膜に焦点を結びますが、レーザーのような強い光が入った場合、網膜は異常な光量と高熱を受けてしまいます。レンズで太陽の光を一点に集めると点火できるほどの熱になりますが、同じことが目の中で発生するのです。

 

重症の場合は網膜の組織が焼けてしまい、光を感知することができなくなります。レーザーによる失明はこのような原理で起こります。

 

では、医療クリニックではどのような対策を取っているのでしょうか。クリニックでは眉の脱毛なども行います。目のすぐ近くに照射するわけですから、対策は気になりますよね。

 

顔脱毛のときは、基本的に目の上に厚く重ねたガーゼを乗せて行います。レーザーは濃い色に吸収されて熱を発しますが、白い色に当たった場合は逆にはね返されるのです。ガーゼの白がある種のバリアとして働くわけですね。ガーゼを乗せただけでは不安だという方には、小型のゴーグルを用意しているクリニックもあるようです。これは、カウンセリングのときに確認してみるとよいでしょう。

 

目の近くに照射する際は、誤ってずれたり、外れたりしないように、スタッフの方がガーゼやゴーグルに手を添えます。照射する部分と逆の方へ視線を向けているようにと指示されることもあるようです。たとえば、眉に照射する場合は黒目を下方へ向けるようにするわけです。目にレーザーが入るのはどんな状態でも良くないのですが、黒目に当たらないようにすれば、レーザーの影響を最小限に抑えられます。これはガーゼの原理と同じですね。もちろん、照射自体も時間をかけて慎重に行います。

 

クリニックによる事故対策はこのようになっています。数年前は顔の上部へのレーザー照射は避ける傾向がありましたが、対策が確立したためか、最近は目の周辺の脱毛も一般的になってきました。